ぼっちゃん。
昔、ウチのコだったけど家出して近所のおウチ周辺で暮らしている
ぼっちゃん(六本木出身/猫科/男性)とバッタリ出会った。
人の家のガレージで大鳴き。
「よぅ! 兄さん! 調子はどないですか?」などと言って、距離を
詰めようとするが、ジリジリと等間隔を保ちつつ後ずさるぼっちゃん。
「なんでやねん!(怒)」と言ったら、そこん家のドアが開く。
ごはん皿を手に出てきたオバチャンと目が合う。。。
「あら? あんまり鳴いてるから(見てたの)?
ウチでゴハンあげてるんだけどね、ウチのコじゃないのよ。
ウチに入れてあげたいけど、他のコがいるからダメなのよ。
前にね、ウチに居たオンナのコが好きで通って来てるかと
思ったんだけど、そのコももういなくて、でも来るから
どしてかなー、と思ってたら、このコはどうやら帰る家が
ないらしいの。ねー、フクちゃん」
と、一気にだーっと喋られる。しかし「フクちゃん」が気になったので
「フクちゃん、ですか」と返してみると
「そう。このコね、目が離れててブッさいくでしょ?
漫画のフクちゃんみたいだからね、フクちゃんって呼んでるの。
あなたまだお若いからわからないかしらねぇ、フクちゃん」
と、やっぱり一気にだーっと喋られる。
「い、いや、わかります。そんなお若くないンです、実は」
などと、言わんでいいことを言いながら立ち去る。
勝てん。